「嫌われる勇気」 抜粋 (2/13)
「嫌われる勇気」抜粋(一部アレンジ)の、その2です。
【第二夜:すべての悩みは対人関係】
個人だけで完結する悩みは無い。
全ての悩みには必ず他者の影が存在する。
理想に到達していない自分に対して、
まるで劣っているかのような感覚を抱く、
その感覚が劣等感。
劣等感は「客観的な事実」ではなく
「主観的解釈」。
だからこそ自分の手で選び直すことができる。
劣等感は向上の源泉にもなり、
それ自体は悪いものではない。
ただし、劣等感(劣等性)を
自らの言い訳に使い始めた状態である
劣等コンプレックスは良くない。
劣等コンプレックスは
本来なんの因果関係もないところに、
あたかも重大な因果関係があるかのように
自らを説明し、納得させてしまう。
これを「見せかけの因果律」と言う。
劣等コンプレックスが別の形で出ると、
優越コンプレックス(偽りの優越感)となり、
自分が優れているかのように振る舞う。
例としては「権威づけ」。
劣等コンプレックスには、
劣等感を先鋭化させ、
特異な優越感に至るパターンとして
「不幸自慢」がある。
不幸な境遇や弱い立場を武器にして
相手を支配しようとすることだが、
この武器を使う限り
その人は永遠に不幸を必要とする。
健全な劣等感とは、
他者との比較の中で生まれるのではなく、
「理想の自分」との比較から生まれるもの。
われわれは同じではないけれども対等。
今の自分よりも前に進もうとすることこそ、
価値がある。
他者と競争しても「敵」にしかならず、
「仲間」にはならない。
対人関係の軸に「競争」があると、
人は対人関係の悩みから逃れられず、
劣等コンプレックス等の
不幸から逃れることはできない。
競争を軸とする限り、
他者全般、ひいては世界すべてを
「敵」とみなすことになる。
逆に対人関係を競争の軸で考えなければ、
他者は「仲間」になる。
「人々は私の仲間なのだ」と実感できていれば、
世界の見え方はまるで違ったものになる。
(つづく)
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